シン・ゴジラ観に行ってきた

そういや私ゴジラのことめっちゃ語れるわ。よく考えたら親が好きで昔の作品のビデオとか見てたの横で見てたな。
宝田明とか、高島親子とかいろいろネタもあったな。
子供の頃なんであまり覚えてないことも多いけど、デストロイヤーは自力で映画館で見に行ったし。

すげー面白かった。私の評価メッチャ高い。
日本人のいいところと悪いところが出まくりで面白かった。
いうほど怪獣映画っぽい感じはしなかったな。基本的に会議のシーン多いし。地味だけどイイ映画って感じだな。
実際にこういう状況になったらどうするか?って感じのリアルな感じでよかった。
何かあったら会議して、どうするか決めて〜ってやってって、後手後手に回ってどんどん悪化していく前半とか、もうそういうの取っ払っちゃってはぐれ者だけ集めたらうまくいったりとか。
こういう会議ばっかしてるとこがこの映画のオリジナリティだけど、そういうのがなかなか面白かったな。

なんつうか、震災の影響とかもあるし「頑張れ日本!日本はまだやれる!!」みたいなメッセージの映画なのかな…。
つっても、こっちの印象としては「頑張れ日本(の社蓄)!日本(の社蓄)はまだやれる!!」っていう感じだったけど…。やっぱ日本の社蓄って最強ですよね。みたいな。
ハリウッド映画だったら「俺があのデカブツを倒して英雄になってやるぜー!!」って感じだけど、日本人なんで「あ、仕事ですんで」の一言ですんじゃう感じ。
人類の存亡がかかっている、命を賭けなきゃいけない戦いを「仕事だから」と淡々とこなしていく日本人。
こういうの異常なんだけど、日本人だから納得しちゃうんだよなぁ…。

私の好きなシーンは、第1形態ゴジラのときにヘリで攻撃しに行く時に「志願者を募るか!?」って聞かれて「ローテでやります」って答えたシーン。普通に仕事なんだなぁ…感が出ててよかった。

メインのゴジラさん、今までの長い歴史の中で、破壊者として圧倒的恐怖を振りまいたり、正義の怪獣として悪の怪獣をブチのめしたりと迷走しまくってたけど、このシン・ゴジラでは原点回帰というか1からやり直しといった感じで、
元々の圧倒的破壊者としてのキャラに戻っていい感じ。
ゴジラがでてきた時「キャー!きたー!カッコイイー!!」みたいな感じが一切無く、物凄い恐怖感があってそんなこと行ってられない感じなのがすごくよかった。
「あ…これ…ヤバイ…」って感じ、真の恐怖を目の前にすると、悠長にキャー!とか言ってられない感じ。
「あ、これ死んだな…」「ダメだな」と、一瞬で諦めるレベル。
最初にゴジラのメインテーマが流れるシーンの(あかん)っていう感じは異常。

ゴジラ「ぶわー」
あ、なんか吐いた。何これ
ゴジラ「ボボボボォォー」
あああ炎だった。さっきのはガスかなんか?つーか思ったよりヤバイ!めっちゃ燃えてる!!!
ゴジラ「ィィキィィィン…」
あ?
ゴジラ「ビーム」
あばばばばばばば(; ゚д゚)
この流れは凄くよかった。てかビーム出しすぎ。内閣総辞職ビームというネットスラングになっててワラタ。

最後のヤシオリ作戦が始まった時の、電車がツッコんだ時に防衛隊のテーマが流れるシーンが最高。
始めの1音だけでなんの曲かわかったので、このタイミングでこの曲が流れるというのテンション上がりまくりだった。
つーかあの曲流れた瞬間のなんともいえない感情はなんだろう。「キタァ!これで勝つる!!」とまではいかないけども、きたぁ!って感じはする。「頼むぞ…!!」って感じなんだろうか。
大体ゴジラシリーズって防衛軍が頑張ってどうにかなる問題じゃないんだけど、この作品は珍しくどうにかなったパターンだな。

ヤシオリ作戦の血液凝固剤を飲ませる重機の名前がアメノハバキリだったわけだが、場所が東京駅というのも合わせて、今やってるPSO2のEP2を髣髴とさせて微妙な感じになったな…。
アメノハバキリは八岐大蛇を倒した剣らしいので、それにあわせて竜(ゴジラ)を倒す剣という意味なんだろう。八岐大蛇といえば、酒飲まして倒したことで有名だし。

前半の方で政府の無能っぷりとか出してたけど、最後に決めたのは2人目の総理が頑張ったおかげだったし、
そもそも1人目の総理も、早く逃げろと言われてたのに、市民の為にギリギリまで残ってたせいで死んじゃったわけだし、
なんだかんだで2人とも立派な総理大臣だったんだなぁ。

こういう映画ってその場の事件を解決すればそれでよしという感じなのに、「復興をどうするか」「10年後日本はどうなっているか」という事を何度も言っていて、その後のことを考えた作品は少ないのでなかなか面白かった。
こういうのも日本らしさだよなぁ。

でも、どっかの感想サイトかなんかでも言われてたけど、スクラップ&ビルドって例えはよくないよな。
確かに東京は何度も破壊されてそのたびに強くなって復活したけど(←出展どこだったか忘れた。メガテンだったか?)
でもその「スクラップ」の中には何もわからず死んじゃった人とか、一生懸命頑張って死んじゃった人とかまで含まれるんだから、表現としてはよくないよね。
スクラップ&ビルドが腐った政府のみにかけた言葉だとしても、市民のためにギリギリまで残ったせいで死んじゃった総理1に対して言うのは可哀想だ。
市民を見捨てて我先にと逃げ出したところで死んじゃったならともかくとして。

凄く面白い映画でした。でも旦那は最後のスタッフロールで庵野秀明の名前をみたら急激に冷めたと言っていたな。
私は最初から知ってたんでなんとも思わなかったけど。ああ、エヴァだな…としか思わなかった。
作るべく人が作った作品。という評価を旦那はしてたけど、
確かに「凄く面白かった!ファンも納得の出来!!」と私が褒めれば褒めるほど、ゴジラファンが作ったゴジラファン向けの作品、ということになっちゃうんだよなぁ…なんか複雑な気分だ。

いかにも続編が出そうな終わり方だったけど、これで続編が出たらまたなんかエヴァっぽい感じになりそうなので、それはやだなぁ…。このまま終わりでいいや…。