デスノート後編(ネタバレバリバリなのでCtrl+Aで反転させてね)

遂に「デ スノート後編」観にいってきました。
前日に改めて前に録画しておいた前編を観ておいたりとして準備万端。


なんというか、ものすごいスピードで話が進んでいくなぁ、という印象。ジェットコースタームービーですか。原作読んでないと判り辛いかも?っとかちょっと思っちゃったよ。
でも、息をつかせぬ展開で飽きさせず、常に緊張感があり引き込まれる感じなので、面白かったです。
特にクライマックスは神がかってすらいたし。

あと、前編の時にも思ったけど、この監督さんは「メデ ィア」を使うのがうまいなぁ、と思った。
インターネ ットでキラ信 仰が広まっていくあたりとか、原作ではディープなキラ信者しか出てこなかったように思うが、「キラってかっこよくねぇ?」みたいな軽いキラ信 仰者をちゃんと描写していたりとか、マ コミの使い方とか。
原作とは違う風を入れることで、いいアレンジをしてくれたなぁと高評価できる。


第2のキラのさ くらテレビ騒動から月&ミサ監 禁とまで行って、原作でのヨツバ編はすっ飛ばして、火口の代わりの高田清美が第3のキラとなり、高田を捕まえて悪い月復活、等と原作のいい部分だけとって切り貼りしてるのは良いと思う。
悪い月復活の「計画通り」は見どころだけど、だからといってかったるくて長いヨツバ編をやるわけには行かないからね。まぁ…そのせいで、すいぶん簡単に第3のキラまでたどり着いちゃったなぁ〜という感じはするけどね。
あと、個人的にはおひ ょいさんにすました顔でヘリからラ イフルで射撃して欲しかったです。普通にテレビ局内で捕まえちゃってちょい残念。


個人的な見どころ。
なんか和スイ ーツにはまってるL。う いろうをまるまる一本、もっちゃもっちゃさせながら食ってる姿が笑えた。う いろうって普通切って食べるもんでしょ、一本食いしたら食い辛いだろうに…(笑)
しかも、抹 茶味というのがさすがLは判ってらっしゃる。

小道具にこってるミサ。ミサの部屋がもう凄いことになっていて、ゴ スロリバ イブルとかでめっちゃくちゃ見覚えのあるものが沢山あったりとか。
月からの指示でデ スノートを掘り起こしに行く時の格好が、原作と同じ服装だったりとか妙にこだわってるのも見逃せない。

清楚・高田、改め「全然清楚じゃない・高田」いい感じに、火口のような「あんまり頭の良くないキラ」を演じてくれました。何あの無駄なセクシーさ(笑)フトモ モ!!
黒い服装といい、なんか魔女っぽい印象があって、良かったと思いますねー。


さて…本編のクライマックス。
原作での第一部ラストである、神(レム)殺しとL殺害。
あ、「やっぱりL死んじゃうんだ。でもキラの新世 界エンドじゃ駄目だろうしな〜。」っと思ってたらラストにL登場。
「あ…ノートすり替えか…あ?でもレムノートだし??」と考えをまとめる隙も無く

Lはすでに自分の名前をノートに書き込んでいたため、レムがデ スノートに書いた効果が発揮されなかった。

というまさかのオチ…!!これは意表を突かれました。
たしかに、オープニングのノートのルールおさらいの時にも「一度書いたら変更できない」としっかり書いてあったのに、この展開は思いつかなかった!
何故ならみんな「Lが月に勝つにはLが生き残る必要がある」「Lがどうやってデ スノートから逃れて生き残るか」ということしか考えてなかったから。
今を生き残る為に後で死ぬという「死をもって死を回避する」なんて矛盾した思考は予測がつかなかった。

キラを倒す為なら自らの命を差し出すというLの覚悟は見事としか言いようが無い。
そういえば原作のLは「私も命をかけます」と言ってるわりには特に命をかけてるような感じはしなかった。(月と一緒に居ること自体が命がけなのかもしれないが…)
しかし、映画版のLは実際に命をかけてキラと戦った。そして命と引き換えにキラを倒した。
ここが原作と映画との最大の違いで、この一点があるからこそ、あまり軽々しく言いたくはないけど「映画が原作を超えた」と思えるのでしょう。
これ以上無い、最高の出来でした。原作で読んだ時よりももっとLが好きになった。


もう一つの良かった点は夜神パ パ。Lの凄さで霞んじゃってる気もするけど、ホントに良かった。
最初は「鹿 賀丈史?カッコよすぎないか?」とちょっと批判的な感じだったけど、最後を綺麗にしめてくれて、やはり大物俳優は凄いんだなぁーっと感心しました。
原作ではなんか、なし崩しというかあんまり盛り上がらずに流れで死んじゃったとかそんな感じだったけど、映画では見事に「父」という自分の役割をきっちり貫き通してくれました。
月が総一郎の名前をデ スノートに書いちゃったときは、「月そこまでやるのか〜」とビックリしたけど、ワ タリが一晩でやってくれた(笑)偽ノートのお陰で助かってくれて良かったよ。
でも、「自分の息子がキラではないと安心しながら死んでいった」原作版と、「生き延びたけど自分の息子がキラだったと知ってしまった」映画版では、総一郎はどっちが良かったのかねぇ?
原作版では総一郎と月の二人を失ってしまって母と妹はその後どうなったんだろう?っと思ったけど、映画版では総一郎が生き残ったことによって、ちゃんと夜神家のフォローがなされていたのが好印象。
きっと「正義感あふれる父と、キラと戦い正義に死んだ兄」と誇りに思って生きていくんだろうなぁ…。

総一郎は月の父親だけど、Lにとっても父親的存在になっていた、というのもまた、総一郎の人物像を掘り下げる点では良かったね。
映画ならではの、人物描写をちゃんとしているというのも漫画とは違っていて、映画という違うメデ ィアで価値はあったと思う。


そういえばミサは…無罪放免??いくらノートが焼却されて記憶が無くなったといっても、やったことが無くなるわけではないでしょう?しっかりミサがやった証拠をつかまれてるんだし。
あと、月が「僕が死んだらミサが後追いする」などど自信たっぷりにレムに言ってたわりには普通に生きてますけど?
うーむ。せめて、ラストシーンでベッドに横たわった後、目を閉じるくらいの演出は欲しかったなぁ…。「そのまま眠ったようにも見えるし、寿命が尽きて死んでしまったようにも見える」みたいな。


いろいろ書いてみたけど、総評としては「素晴らしい作品でした」の一言に尽きる。
すごく面白かった。前編よりも後編の方が何倍も面白かったし、原作ファンが望んだ終わりがある、というのが最高でした。(原作はグダグダで終わっちゃったからねー)